JALを窮地に陥れたものは
JALの業績が悪化した原因を追及すると、外部環境の急激な変化に対するJALの経営ビジョンやあるべき姿に決定的な遅れが生じたことにたどり着きます。
国際線では収入単価となる旅客キロ当たりの売上単価が国内線に比べて低くなっていました。
さらに変動費となる燃料の単価が上昇し、限界利益率が悪化したのです。 国際線を中心にした航空会社が生き残るためには、コストを改善するといった動きが必要でした。
しかしながら、JALはJASと統合して営業拠点のリストラやシステムの統廃合、間接費の削減も行いましたが効果は見られませんでした。
人件費についても5年間で10%の人員を削減し、フライトアテンダントの契約制を促進するなどしましたが、収益の悪化をカバーするには至りませんでした。
半官半民という体制も足かせとなり、たとえば採算の合わない路線を廃止するにも政治的なしがらみから実現しないということがありました。
結果的に大がかりなコストの改善よりも規模の縮小を優先したため、リーマンショックがあって航空需要が激減したことに対応しきれず、窮地に陥ったということができるでしょう。
国際航空運送協会が調査したところによると、航空需要は世界的に回復傾向にあると見られています。
JALは国内の航空会社においてトップの発着枠を維持していますので、さらなる海外の格安航空会社が現れないような限りは優位性を保つことができます。
ローコストの航空会社として全力を尽くすことによって、事業再生が叶うと考えられます。